バグと自動運転とテスラ

engadget 日本版:https://japanese.engadget.com/2019/08/02/dog-mode/

engadget 日本版によるとタイトル通りとの事。ドッグモードにする前にエアコンの風量を手動で設定した場合には、温度調整が正常に機能しないんですって。このツイートに対してイーロンマスク氏は「fixing」と返答したそうで、この不具合はすぐに修正されるだろうとの事。ともあれワンちゃんが無事で良かったですね。

プログラムにバグは付きもの

プログラムにはバグは付きもの。私はシステム系の会社にいたりもしますが文系脳全開で「とにかくローンチしてしまえ!」とSE各位を困らせたりするタイプです。「100%の完成度を最初から求めていたらいつまで経っても公開できないよ」と。だって当たり前ですよ。例えばウェブシステムでも、全ての画面遷移、ユーザーがするかもしれないイレギュラーな入力など全て潰すには多大な労力と発想が必要ですから。時間が掛かって仕方がない。完璧を求めている間に、他社に先を越されたり、時流が変わってしまっていればそちらの方が致命的ですから。

致命傷となるか怪我で済むかそこが問題

もちろん自社案件と他社案件での違いはあります。他社の案件は少し慎重に。程度の違いこそあれいつも心に決めているのが「ここで飛び出したら致命的か否か?」を塾考して、「致命傷にならないのであれば、さっさと飛び出してしまえ!という事。そこは真剣に考えます。怪我にも程度はあるでしょうが、治るのであれば問題ありません。もちろん他人に迷惑を掛けるリスクも熟考しますよ。それを踏まえて出来るだけ早く飛び出しちゃえって。私はそういう人間なので、テスラが意図しているかどうかは分かりませんが、彼らの「やり方」に共感を覚える点も多いのです。

この記事のバグはドッグモードだったからまだ良かったと思います。もしもこのバグのせいで車内にいた誰かのペットが死んだりしたら、他人が聞いても悲しい出来事です。が、テスラにとって「致命傷」にはならない(死んだペットに対して裁判やら賠償やらの話は出ると思いますが)。でも万が一これがオートパイロットのバグなら?カリフォルニアのハイウェイでオートパイロットで走行中、中央分離帯にクルマが突っ込んで運転者が亡くなった、という事故は皆さんも記憶に新しいと思います。その後遺族がテスラを相手取り裁判を起こしていましたね。まぁ勿論そうなりますわな。

私は何故オートパイロットを完全に信用しないのか?

テスラ乗りの方は普段何気に利用しているオートパイロット。そこにバグが潜んでいたら大事故に繋がる可能性があります。もちろんテスラのオートパイロットはレベル2ですから、あくまで主体は運転者にあります。とはいえ、いざ利用してみるととても楽で依存してしまう機能です。賛否両論、様々な意見はありますが正直かなりドライバーにとっては助かる機能です。でも私はイマイチ信じきれないのです。使って楽はするけど完全に信頼はしない、という感じ。その訳はバグにあり。世の中において完璧なものっては数少ないと思います。比較的入出力の単純なウェブ系のシステムでさえ、改修を重ねて行くと九龍城のようになって何かしらバグが起こることがある。圧倒的な構築・処理レベルの違いはあるけれど、自動車の運転という不確定入力の遥かに高い処理をこなすとなると、これまでは上手くこなせてたとしても「未経験の想定外入力でバグる可能性もあるのでは?」と考えてしまうのです。

個人的に感じる危うさ

テスラのアップデートがどういう形でされているか?は分かりませんが、今まであるものに付け足しをしているのであれば、ウインドウズやオンラインゲームのように改修を重ねるごと複雑になって、それまでには無かったバグが出てくることがあり得ると思います。たとえ完成度100%からスタートして、それを弄ってもなお完璧をキープできるかどうか?蓄積されたデータを全入力してその結果を検証する、と言うのはもちろんコンピューターに計算させているでしょうから、かなり正確なんだと思います。オートパイロットに関してはテスラも細心の注意を払って開発〜検証を経てローンチするでしょうし。

ただテスラ 車でも、細かいところ(表示や操作系)のバグを体験している私からすれば「優先順位の高低はあれど、些細なところに発生したバグがオートパイロットで発生しないとは限らない」と感じてしまうんですね。こと自動車の運転に関しては非常に危ういなぁ、と。まぁ処理が出来ない場合はドライバーに運転を返しているので、今の作りでも理論上破綻はしていないのですが。私が感じるのは「データの蓄積と技術の進歩が将来的に上手く噛み合わない限り、現在の組み合わせで完全自動運転を実現するのは厳しいだろうな」と言う事。その進歩を見越しているからイーロンマスク氏も強気に進めているのでしょう(そう言わないと詐欺になっちゃうw)から、どれだけ遥か上を超えて実現させていくのか、を楽しみに見ていきたいと思います。

じゃ、また。